OQTA HATOが大切な家族をつなぐ

OQTAユーザーインタビュー

「100人いれば100通りの物語がある」OQTAユーザーのキズナ聞こえるエピソードをインタビュー形式で紹介するコーナー
今回は「生きていれば誰もが経験する大切な人との別れ」OQTAが繋いだ末期癌の父と娘の最後の120日

OQTA)

この度は、大変な時期にも拘らずインタビューに応じてくださりありがとうございます。(このインタビューはお父様のご葬儀の翌週に行わせて頂いたものです。)まずは、マリコさんのご家族の事、お父様の事についてお聞かせくださいますか?

マリコさん)

私の家族は自営業で酒屋を営んでいました。母はもう20年以上前に亡くなり、 私は早くから家の仕事を手伝っていました。私にとっての父は、母と過ごした時間よりも長く、何しろいつも一緒にいたので、よく話もしましたし、喧嘩もしました。親子というより兄妹とか友達のような感覚で、生まれた時からずっと一緒、同じ場所で共に過ごしてきた、そんな父との時間でした。

client

OQTA)

一般的な父娘の関係とは異なるマリコさんとお父様ですが、何がキッカケでOQTAのことを知りHATOをお父様に鳴らし始めたのでしょうか?

マリコさん)

父が癌だとわかったのが昨年6月。 父は直前まで不摂生をしつつも元気そのもの、と誰もが認める人でした。 それが、いきなり命の宣告を受けてしまいました。 はじめは病院での治療を行なっていたのですが、症状が進行するにつれ、できる限り最期を父と一緒に過ごしたいという思いから昨年11月にファミリーホスピスに移ることにしました。 (※ファミリーホスピス;終末期の方とそのご家族も居住できるタイプのホスピス。)

でも、その時すごく悩んでいたんです。父がホスピスに入るタイミングに、コロナが流行り出し、万が一私がホスピスに行った事でコロナを持ち込むような事にでもなってしまったらどうしよう…。 他の人やスタッフの人に移してしまう可能性も全くゼロじゃない。ホスピスに行っていいものなのか? 父の命が限られている中、日に日に体も弱っていきますし、私としては父に何ができるのかな?父の為ならなんでもしてあげたいと思うものの、簡単にはできない現在の状況に不安が募り悩んでばかりの日々でした。 そんな悶々とした時間を過ごしている時に、何気なく見開いた新聞の1ページにOQTAの記事を発見したんです。普段だと新聞に目を通すことも出来ないくらい、その時は気持ちに余裕がなかったのですが、その日は何故かたまたま新聞をめくっている最中にOQTAの記事を見たんです。

OQTA)

今年の1月に読売新聞に掲載された時の記事ですね。その記事を読まれた時のマリコさんの様子についてお聞きしたいのですが、OQTAの最初の印象ってどんなものだったか覚えていますか?

マリコさん)

はい。最初一通り記事を読んで 「エーーーーーーっこんなのあるんだ」「これすごい」って思いました。 「新しいものや、扱いづらそうなものには抵抗を感じることがあるんですが、これなら自分でもできる」って、思いましたね。

OQTA)

それはすごいですね。

マリコさん)

落ち込んでばっかりだった私にもこれだったらできる!って希望のようなものを感じたことを覚えています。 「鳩時計」という馴染み深いものを使ってこれまでとは違ったコミュニケーションが取れるということも、親しみやすく入りやすかったのかもしれません。

OQTA)

そのような偶然のOQTAとの出会いがあり、そこからOQTA HATOを購入し、実際に使うようになってみてどんな変化が起こりましたか?

マリコさん)

父は、末期癌ですので、寝たきりで意識もはっきりしていません。顔を見に行っても、眠っていることがほとんどだったのですが、初めにOQTAの鳩時計をプレゼントした時、父の様子がパッと明るくなったことをよく覚えています。 何か一生懸命私に話そうとしていて、、、。昔気質な父でしたがその時は子どものように無邪気に心の中ではしゃいでるんだなというのがよくわかりました。

そしてその翌朝のことなんですが、父が起床したタイミングにHATOを鳴らした時ちょうど部屋にいた看護師さんもHATOが鳴くのを耳にし、「きみはラッキーだね!それ、私の娘がプレゼントしてくれた鳩時計なんだよ。」と、父はその時看護師さんに嬉しそうな表情を浮かべて言ったそうです。私も、ここまで父が喜んでいることに正直びっくりしましたし、素直に嬉しかったです。あぁ、贈って良かった!そう心から思いました。 それからも、これなら続けられると思って1日に7~8回はアプリをタップし一生懸命HATOを鳴らしました。タップする時はいつも「お父さん、お父さん」って心で叫んでいたと思います。

client

その時にふと湧き上がった思いっていうのはその時じゃないとすぐに逃げていってしまうのですね。だから、誰かを思った時にその思いをすぐに送れるって、改めて大事だなと思いました。

OQTA)

思ったその時に何か言葉に発したり行動できるって事がとても大事なんですね。 残念ながらお父様が旅立たれてしまったのですが、マリコさんがお父様に贈ったHATOは今どこにあるのですか?

マリコさん)

祭壇の横に置いていて四十九日が終わるまではそっとしておこうと思っています。

client

マリコさん)

OQTAの鳩時計は本当に素敵だと思います。今回のご縁に感謝いたします。多くの人が、鳩時計と共に、それぞれの物語を紡いでいると思うと、コロナ禍にあってもなお、基本的なことは変わらないのかもしれないと感じます。 落ち着いたら今度はまた私の大切な人にOQTAを贈り、日常的に「思いを伝える」ということを続けていきたいと思っています。


マリコさんにお話をうかがうきっかけとなったのはOQTA社に届いた1枚のはがきでした。心を揺さぶられました。OQTA HATOがまた一つご家族の絆を紡ぐお手伝いができる。

client

絆は目に見えないものです。それを目に見えるものにすることはOQTA HATOの一つの役割であると思います。インタビューを終えて、鳩を鳴らす側のマリコさんも、聞く側のお父様もHATOを通してお互いの間の絆をより強く感じてくださっていたご様子に安堵いたしました。これからもお役に立っていきたいと思います。

お父様のご冥福をお祈りするとともに、インタビューにお応えくださいましたマリコさんに心より感謝いたします。